エモい心理学

こころってやつは。エモい、つまりエモーショナルな心理学論文を書き溜めています。

童顔のあなたは得をしているかもしれない。

「年齢を確認できるものをお願いします」

 

僕だってお酒を買う。叫びたい夜だってある。あるけれど近所に迷惑をかけるのはよろしくないので仕方なしにお酒を注ぎ込みこむ。そんな夜にレジで言われるのが冒頭のお願いである。手慣れすぎていて、言われる前にいつも準備を整えている。運転免許証を「もう大人三年目なんですう」という顔で差し出す。少しの間ができる。その後、事務的に返された免許証を財布にしまい、お酒もかばんにしまう。自宅につき、つまみもなしにお酒を飲む。まもなくベッドに溶け込む。いや。ベッドが僕に溶け込んでいるのかもしれない。その辺りの判別がつかなくなり、ふにゃふにゃした朝を迎える。たいてい二日酔いはしない。頭は冴えている。そして嫌な記憶は吹っ切れている。以上が、お酒に愛しお酒に愛された童顔奴の夜である。

 

童顔がお酒を買おうとしたり、居酒屋へ足を運ぶと、上述したような面倒な手続きがある。しかし、童顔にもポジティブな側面があるという論文を見つけた。なので、ここでシェアしたいと思う。そんなわけで、今日は童顔に関する論文。

 

Keating, C. F., Randall, D. W., Kendrick, T., & Gutshall, K. A. (2003). Do babyfaced adults receive more help? The (cross-cultural) case of the lost resume. Journal of Nonverbal Behavior, 27(2), 89-109.

 

              f:id:rikiyan0513:20170413224520p:plain

 

論文の内容

そもそも、童顔のような幼体的な特徴は、古くからベビースキーマという概念で広く知られています。ベビースキーマとは、広い額、大きな目、厚い唇、小さい鼻、ずんぐりとした手足などの身体的特徴をさします。赤ちゃんに代表されるようなベビースキーマ的特徴を持つものは人々の注意をひきつけやすく、養護的な愛情を受けやすいという報告がなされています。

 

 

上記をふまえて、この論文では大人でもベビースキーマの特徴をもっていれば気にかけられやすいのではないか、ということを検証しています。

 

まず著者らは白人・黒人の成人男女の写真を用意し、それらの写真について目を大きくして唇を厚くしたベビースキーマ条件、目を小さくし唇を薄くした成熟(?)条件を設けました。

人々にそれらの写真について評定してもらったところ、ベビースキーマ条件の写真は成熟条件と比較して、「素直」、「弱々しい」、「情け深い」、「正直者」といった評定値が高いことが示されました。一方で「魅力的である」という評定には差はありませんでした。

 

 

次に著者らは、上述の写真を張り付けた履歴書を街角に落とす、という実験を行いました。履歴書には封筒が付帯しており、その封筒には(架空の)雇用主の住所が記載があり、かつ正確な郵便料金の切手が張り付けられていました。つまり、ベビースキーマ条件あるいは成熟条件の写真が貼られた履歴書が、通りがかった人々の善意によってどの程度郵送されるかという実験内容になっています。

 

実験の結果、女性においては白人・黒人問わずベビースキーマ条件のほうが成熟条件よりも多くの履歴書が届きました。一方で、男性においては白人ではベビースキーマ条件ほうが成熟条件よりも多くの履歴書が届きましたが、黒人ではそのような差はみられませんでした。

 

以上より、童顔な人はそうでない人よりも助けられやすいかもしれないと述べています。

 

 

感想

まず、「魅力的である」という評定に差がないことから(目が大きいと魅力的に見えるかもなーっと思ったがそうでもない)、より魅力的だから助けてあげたということではないというところがポイント。

ベビースキーマという一般に赤ちゃんに適応されるような特徴が、童顔の大人でも適応可能だといえそう。つまり、赤ちゃんを助けるときと同じようなメカニズムが働いているのでは・・・?

 

あと、人種によって結果が変わるところが気になった。例えばアジア人って元々幼い顔つきをしているので、ヨーロッパ人からみたアジア人ってほぼほぼ皆童顔にみえてたりしてね・・・。ちなみに、留学生の友人に「君は日本人だから欧米では可愛がられる」と言われたことがある。変な意味じゃないならいいのけれど・・・。

 

 

この結果をふまえて、明日からは「僕は日々知らぬ間に助けられているんだ」と思いながら生きようと思った。もし、そうでなくとも、そう思っておこう。そのほうが幸せだ。

 

 

おしまい。